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【伝説の剣】 桃カンを開けるという、珍妙な経緯で開発された剣。 ダル・セーニョの王族が守っている宝石(ルビー)に聖なる者の魂を取り込ませたものを剣の柄の穴に入れると、何でも斬り裂く剣になる。 しかし、宝石あるいは聖なる者の魂がなければ、何も斬ることができない(逆に、何をしても斬られる事もないらしい)。 ちなみに、桃カンを開けた時には、聖なるカブトムシの魂を宝石に取り込ませたらしい。 なお、出典自体は18巻。詳しいことが解るのは19巻前後。 ラルクに支給。 【ハーメルのバイオリン】 もとはハーメルの母親のパンドラのものだったが、作中ではずっとハーメルが所持している。 ハーメルの祖父のヴァィ・オリンが作った魔器であり、特別製。 ハーメルによく鈍器として使われているが、まったく痛まない。 一度破損したことがあるが、それ以降きつい攻撃を壊れることはなかったため、相当頑丈であると思われる。 修理する際、オリンの改造により「ド」の音でドリル、「レ」の音でレーザー、「ミ」の音でミサイル、 「シ」の音でジェットを出せるようになった。 チョッパーに支給。 【ライエルのピアノ】 重さ500㎏、耐火性の特別製ピアノ。 話の中でよく投合武器として使われるが、傷一つ付かない丈夫さ。 ケロロ軍曹に支給。 【伝説の剣のルビー】 伝説の剣の鍔元に嵌めこむルビー。聖なる存在の魂を吸い込むことが出来る。 ヒグマの大将に支給
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作品データ タグ: 1990年代 凍結 展示される 水晶封印 漫画 解除可能 ジャンル 漫画 種類 水晶封印 性別 女 内容 主人公ハーメルと妖鳳王サイザーの母親であり、大魔王ケストラーの妻でもあるパンドラは、氷縛結界の呪法を受けて魔族の本拠地である北の都に囚われていた。 物語終盤まで水晶に囚われていたため、シリーズを通してその姿を見ることができる。 画像・動画 魔族の城で水晶に封印された謎の女性。 冥法王ベースは水晶に囚われた物言わぬ母親を見せつけ、サイザーに対して人間への敵愾心を煽った。 回想シーンでパンドラが魔族に捕らえられて水晶封印されるに至った経緯が語られる。 魔族の封印されていた箱を開けてしまったことで人間から迫害視されていたパンドラ。大魔王の血を引く息子ハーメルを守るため魔族の追跡部隊と戦ったパンドラだが。 守ろうとした人間に裏切られて捕まってしまう。 冥法王ベースの呪法を受けて氷縛されるパンドラ。 ストーリー後半もシリーズの要所要所でパンドラが登場する。 タグ: 1990年代 凍結 展示される 水晶封印 漫画 解除可能 リンク あったら 批評・コメント なお原作はギャグとシリアスがカオスに混在する漫画のため、回想シーンのパンドラの壊れっぷりを見て衝撃を受けた人が多数。アニメ版もあるが、こちらは全編シリアスな上に物語やパンドラの辿った結末も180度異なる。 名前 コメント
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シェルの故郷の村。 ゲーテが買い物途中で、ため息をついている。 店主「どうした? 元気ねェなあ ゲーテ… もうすぐ祭りだってのに… もっと景気よくしねーと」 ゲーテ「うるさいねー しかしまぁ… 妖精神祭から もう1年か… シェル坊が村を出てから そんなに経つんだな… 追うようにハーモニーも出て行ったし… 何かわけがありそうだったけど… どうしてるのかねェ… あの子ら…」 グローリア帝国。 グローリアス15世の前に、妖精兵器の大群が勢ぞろいしている。 グローリアス「親愛なるグローリアの同志諸君!! 雌伏の時は過ぎたッッ!! 20年前の敗戦以来… 困難を極めた我が国の再建 近隣国からの侮蔑… スフォルツェンドの横暴… 度重なる屈辱に耐える日々は終わるのだ!! かつての大戦で魔族共に臆することなく果敢に戦った国はどこだ!? グローリアだッ この世界に君臨すべき偉大な国はどこだ!? グローリアだッ!! 世界で最も叡智なる民族はどこの民だ!? グローリアだッ!! 今こそ帝国のあるべき地位を取り戻す聖戦が始まるのだッ──! 勇気の行軍を見せよ──ッ グローリアに栄光を──ッ!!」 兵たち「ウオオオッ グローリィ オブ グローリア!! グローリィ オブ グローリア!! グローリィ オブ グローリア!! グローリィ オブ グローリア!!」 幹部のバロックとノクターンが、その演説の模様をテレビで見ている。 バロック「感動的な閣下のスピーチだったねェ… 僕らも参加したかったけど 間に合わなかったねェ…」 ノクターン「ああ… 今はこいつの綿密なデータを取る必要があるからな… 脳解剖するゾ…」 妖精兵器に改造されたシェルの幼馴染みのハーモニーが、首だけの姿となって2人の前にある。 ノクターン「この娘が何故… あの…シェル・クン・チクとかいうガキの記憶を残していたのか…」 そばの研究員2人が、薬瓶を取り落とす。 ノクターン「なんだっ!! 何してるっ!!」 バロック「あーあ 貴重な薬品がこぼれちゃったじゃないかァァ──!」 研究員「すっ すみません」 バロック「ええい バカ者がぁ──っ!」 研究員「ああっ」 バロック「妖精学者だから生かしておいてやったのに… 能ナシがぁ… 今度失敗したら兵器にしてやるからな──」 研究員「すみません すみませんでしたぁ──」 バロック「フン 愚民が」 研究員「あなたっ 大丈夫ですか──っ!!」 研究員2人が、互いをかばい合う。 「それより聞いたか…!?」「はっ はい… まさか」 「シェルが…」「あの子が 生きていたなんて!」 「オレ達は奴らに捕まり 研究員にされたけど」「あの子は… ああ よかったぁ」 「シェル 無事でいてくれッッ 父さん… 母さんも」「がんばるからねっ──っ!!」 バロック「おい! さっさとかたづけろ!!」 研究員「はっ はい」 バロック「しかし脳解剖って 細胞単位で分析するのかい? 記憶障害をおこして使いものにならなくなったりしない?」 ノクターン「そうなったら別の戦闘用データを組み込めばいい いらない過去は抹消するだけだ」 ハーモニー (シェル… 何があっても 私… あなたを 忘れない…) そして、ハーモニーの黒い妖精が、そばで鳥籠に閉じ込められている。 「まさか…ね ピロロ姉ちゃんの妖精兵器と 戦う事になるとはね」 一方、グローリア帝国へと旅立ったシェル一行。 ティナー「だいぶ都市(まち)から離れたよな」 グレート「そろそろ国境も近い…」 ティナー「発明家じいさんの家も近いんじゃねーの?」 グレート「なあ シェル… どこら辺なんだよ? じいさん家(ち)」 シェルからの返事はない。 ティナー「どうしたんだよ」 グレート「おまえ まさか…」 グレート「なにィ──っ 知らなィィ~! なんじゃそりゃああ──っっ!!」 ティナー「どういうう事なんだぁ~っ!!」 シェル「いや あの いろいろあったから 聞き忘れちゃってェ~」 グレートたち「あ──っ!!」 シェル「いや…っ だって いきおいで出てきたから みんなに言いづらくって…」 グレート「どうすんだよ! ここまで来たのにィィ!! ぜんぜん違うトコ来てるかもしれねーじゃねーかッ」 シェル「みんなの前向きな気持ちを盛り下げたくなくて」 ティナー「ふざけんな!」 グレート「だからって後回しにすんじゃねェ──」 助力のために一行を追って来たケストとサイが、陰で様子を窺っている。 ケスト「どうしようか… 出てって… 教えてやろーか?」 サイ「でも… 助けるの… すごく早くない?」 クラーリィ校長はスフォルツェンド公国から、水晶玉で一同の様子を見ている。 クラーリィ「うん… ちと早い…」 ティナー「よくよく考えたらシェル(こいつ)… こういうとこあるよなー」 シェル「えっ!?」 ティナー「熱血漢だから こうと決めたら突き進んで… それまずいんじゃねーのって思っても… なんとかやってやるぅーって いきおいでやって…」 シェル「うっ」 ティナー「案の定 失敗してなー」 シェル「うっ」 グレート「思えば入学式からムチャやってたよナー オレのおかげで なんとかなったけど… どうする気だったんだ?」 シェル「うっ」 ティナー「試験の時だってガムシャラなだけで けっきょく何もできなかったしな ピロロが手を貸してやったから 何とかなったんだよなー ピロロのケンカだってシェルが意地張ったから こじれたんだよナー」 シェル「くっ… それは…」 ビィオーネ「あー じゃあ そんな事言ったらサー ハーモニーの事も『大魔法使いになるッ』とかいって魔法学校に入んなくても~ クラーリィ校長にわけを話せばなんとかなったんじゃないのー?」 シェルがその言葉に、衝撃を受ける。 ビィオーネ「そうしたらもっと早く解決して~」 ピロロ「なななな何言ってんのよ そんな事したら… シェルは… 自分が捕まって検体されると思ったからよー! 自分でやろーと思ったのよ──っ!!」 ビィオーネ「わからないよー 意外にいい人だったじゃん… なんとかしてくれたかも──」 ピロロ「だだだだだからー 子供の頃から憧れのクラーリィに大魔法使いになるのを見せたかったのよー!!」 グレート「でも その間にハーモニーは改造されちまったしな──」 ピロロ「1年あると思ったの!!」 グレート「1年でなんとかなると思ったのかな?」 ティナー「確かに考えが甘いな あいつ賢そうな顔立ちしてるがバカだな…」 ビィオーネ「考えなしで突き進むタイプね…」 グレート「『運命を変える』って頭悪いのごまかしてるみたいだな」 ピロロ「シェルのせいでハーモニーがぁ~」 ブラーチェ「ちょっとやめてよッ みんなッッ ピロロちゃんまで!! 大丈夫よ シェルくん……!! 元気出して…!! いつものように… 運命を… 変えるんでしょ!?」 ブラーチェの励ましはもはやシェルには届かず、シェルはうつろな目で、薄ら笑いを浮かべている。 シェル「へへへっっ へへっ」 ブラーチェ「あっ あんなに前向きだったシェルくんが… やる気を失ってる」 ティナー「おっ また考えなしで落ち込んでるゾ…」 ブラーチェ「やかまし!! とにかく… 行こう──っ!! 運命を変える冒険の旅へ──!」 ティナー「行く先わからんのにか?」 ブラーチェ「行かないと奇跡も起きないでしょ──!!」 ケストたち「…」「やっぱり教えてやるか?」 クラーリィ「…」 ハーメルンのバイオリン弾き ~シェルクンチク~ おわり ■ 単行本最終巻収録 おまけマンガ シェルの必殺の魔法が、グローリア帝国に炸裂する。 シェル「くらえっ!! シェルクザールスフィナーレェッ!!」 ハープシコード「ぐああ… そ… そんな… 馬鹿なあぁ──!!」 仲間たち「ああっ やったわっ!!」「ついにグローリアを──ッ!」 グローリアは滅び、元通りの姿となったハーモニーが現れる。 ハーモニー「やったわね シェル… おめでとう」 シェル「ハ… ハーモニィィ ああっ ハーモニー… 元に戻ったんだね!!」 ハーモニー「シェルッ! あなたの勇気と優しさ 強さのおかげよっ!!」 ──という夢を見ながら、シェルは眠っている。 シェル「うーん… ハーモニィィ よかったぁ よかったよぉぉ~」 グレート「シェルッ! おい シェル 起きろッ!!」 シェル「んっ… あれ…? 夢…?」 グレート「ったく 幸せそうな顔(ツラ)して… 寝やがって どーせグローリアでも倒して… ハーモニー救った夢見てたんだろ? 都合よくヨー あいかわらず考えなしだぜ… なぁッ!! 道もどーしていーかもわかんねーのに まったく考えが甘いヨなー」 シェル「うっ」 グレート「頭がお気楽でいいなー さすが考えナシ」 シェル「うっ」 グレート「ハーモニーをあんな目にあわせるだけあるぜー よっ 能ナシー!!」 シェル「はぅっ」 グレートの言葉が次々に、シェルに突き刺さる。 シェル「うっ… うぅっ ちきしょう… なんだよぉ そー言った自分だって ソ○ンじゃないか──っ!!」 グレートがその言葉に、衝撃を受ける。 グレート「(ソチ○… ○チン… 最終回…でも… おまけマンガでもソ○ン…) うぐうぅ… くそぉっ こーなったら……!! 多大な情熱と才能を持ちながら貧困と不運… そして病に苦しんだ… フランツ・シューベルトの── 31歳の短い生涯の最後の年に死と戦いながら創作した… 交響曲第9番ピアノソナタ白鳥 弾いてやるぅ──っ!!」 シェル「そんな偉大で立派な曲を こんなくだらない事で… ああっ シューベルトが泣いている…」 グレート「なんだとぉ── てめーちょっと自信があるからってなー」 シェル「なんだよー グレートだってよー!」 ティナー「おいっ いーかげんにしろヨ ソチンとノーナシ… したくしろヨ…」 グレート「うるせーな この…」 シェル「ハナクソボール母ちゃんの子がぁぁっ」 今度はティナーが衝撃を受ける。 ティナー「ハ… ハナ… ハナ…クソ ボ… うわぁぁん ハナクソボールなんかじゃないゾー それに母ちゃんは関係ないだろー!! シーザースラッシュ!!」 グレート「おれを魔王と呼ぶなぁ──っ!!」 ティナー「我が一族の誇りにかけてェェ──!」 シェル「こーなったらボクも… シェルクザールス──ッ!」 ピロロ「シェルッ!! やめてェェー! 今… あなたが撃ったら その体がバラバラに吹き飛ぶわぁぁー!!」 シェルたちが、およそ低次元の激闘を繰り広げる。 ビィオーネは呆れ果て、ブラーチェは一同を尻目に食事を作っている。 ビィオーネ「……大丈夫かねぇー こんな連中といっしょで……」 ブラーチェ「あっ… おいし♥ 味つけ うまくいった♥」 ── 完 ──
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その昔 この世の果てにすべての「悪」が籠められた箱があった…その箱をパンドラという女が…開けてしまったのだ…この世のありとあらゆる邪悪なるものが飛び散っていった…世界は暗黒の闇に閉ざされたのだ…平和だった人間界には魔物モンスターが巣くい人々を苦しめ 数々の悲劇が生まれた…己の罪深さに嘆き悲しんだパンドラであったが…箱の中から最後に希望がでてくる……はずだったんですけど…… 北ヨーロッパの山間部。大荷物を背負った少年・ビオラが、山中の森を歩いている。 ビオラ「不気味だな この森… 昼でも暗いし… 魔物でもでそうだよ」 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ビオラ「な なんだろう?」 第1楽章 母に捧げる交響曲(シンフォニー) 木にもたれて座っている青年が、自分の身長ほどもある巨大バイオリンを肩に担いで奏でている。主人公のハーメル。 ビオラ「なんて美しい人なんだろう (優しさと悲しみが同調したかのような瞳の… そう── この曲と同じだ 弾き方はマヌケだけど とても美しくて素敵な…… 心の奥まで澄みとおるような暖かく優しい曲…)」 胸のペンダントの中に、母と幼い自分の写真。 ビオラ (まるで母さんみたい) 音楽に導かれるように、数羽のハトがハーメルのもとに舞い降りる。 ビオラ「えっ? (こっ… 幸福と平和を象徴するハトが… この人…… 神様……!?)」 すると突如、ハーメルは人が変わったように巨大バイオリンを振るい、ハトたちを叩きのめす。 ハーメル「うおりゃあぁ」 ハトたち「げぇ」「ぐぇっ」「ぎぇ」 ビオラ「へぅ?」 さらにハトを焚き火で焙り、むさぼり食べ始める。 ハーメル「けっ 今日もハト肉かよ しけてやがるぜ」 相棒のカラス・オーボゥがハーメルをど突き、ハーメルの顔を炎の中に叩きこむ。 オーボゥ「えーい アホ者──!」 ビオラ「!! えっ?」 ハーメル「何しやがんだ てめぇ! この俺様のビューティフル・フェイスがこげちまったじゃ」 オーボゥ「やかましいわ アホ者──!! おまえはそんな事にしかバイオリンを使えんのか」 ハーメル「ハラ減ってたんだからしょーがねーだろ──が!! てめぇも食っちまうぞ!」 ビオラ「カッ カラスがしゃべってる」 ハーメル「んっ 誰だ おまえ」 オーボゥ「おやっ?」 ビオラ「えっ あっ その…」 オーボゥ「ホホホ これはとんでもないトコ見せてしもうたの……」 ビオラ「すっ すいませんでした のぞくつもりはなかったんですが… あまりすばらしい曲だったもので つい…」 ハーメルはハトの焼き鳥に夢中。 ハーメル「ほめたって わけてやらんぞ」 オーボゥ「食うんじゃねーよ! おめーは!! まったくこやつは… そろそろいくぞ!」 ビオラ「旅の方… ですか?」 オーボゥ「左様……」 ハーメル「北へ… わざわいを鎮める旅をしている」 一転して真剣な眼差しで言い放つ彼に、ビオラは呆然とする。 ビオラ「あ… あの旅人さん よかったらボクのうち きませんか? すぐそこなんで…… たいしたもてなしはできませんが お客さんは大歓迎ですよ」 ハーメル「家……? こんな山の中に住んでいるのか?」 ビオラ「えぇっ… ボクはビオラっていいます あっ こっちですよ」 その様子を陰から、大柄な魔物が見ている。 魔物「へへへ… 旅芸人かい 金 持ってるかもしれねェな しかも あのガキんとこにいくたぁ ちょうどいい… まとめてぶっ殺してやるぜェ!」 ハーメルたちはビオラの家へ招かれる。 ビオラ「すこしボロだけど いい家でしょう… まってて 今あったかいスープ入れるから」 オーボゥ「すまんの 他に人が見えんが…… 親はどうしたんじゃ?」 スープを温めながら、ビオラはオーボゥの問いに肩を震わせる。 ビオラ「母さんは死にました」 言葉を失うハーメルたちに、ビオラがスープを勧める。 ビオラ「山の中で不便で貧しかったけど ボクと母さんは平和で幸せに暮らしてました… あいつがくるまでは!」 幼い頃の回想。ビオラと母に、巨大な魔物が迫る。母「お願いです この子だけは! この子だけは助けてあげて下さい! この子だけは!!」ビオラ「母さん!!」魔物「ケッ! 貧乏人が! 金も持ってねぇくせによ…… 死にやがれェ!」母「!!」ビオラ「……」母は必死にビオラを抱きしめ、自らを盾とする。ビオラ「かっ…」優しくビオラに笑みかける母に、魔物の攻撃が直撃──ビオラ「かぁさぁん!」 話しながら、ビオラは涙をあふれさせている。 ビオラ「母さんは…… ボクを守って最後まで笑ってたんだ ボクに心配かけまいと 最後まで……」 オーボゥ「なんとも気の毒な話よのう まだ母を恋しむ幼き子に このような仕打ちを…」 ハーメルが優しい笑みを浮かべ、ビオラの肩に触れる。 ビオラ「たっ 旅人…さ…ん…」 ハーメル「おかわりはないのか?」 ビオラ「へっ?」 ビオラの語りをそっちのけで、ハーメルはスープを鍋ごと平らげはじめる。 オーボゥ「おめーは人の話 聞-とらんのか── すっ すまんのう ビオラくん 本当はいい奴なんだが 見ての通りの大バカ者でなあ…」 ビオラ「え えっえ わかってますよ あんな素敵な演奏する人だもの すばらしい人ですよ 最初見たときは 神様かと思ったくらいだもの」 ハーメル「演奏で思い出したが……」 ハーメルがビオラに1枚の紙を差し出す。「請求書 1000000円 すげーすばらしー演奏代として」。 ビオラ「これは……?」 ハーメル「請求書だ 俺の演奏を聞いたんだからな…」 ビオラ「…… はっ 払うんですか? これっ」 ハーメル「あったりめーだろーがぁ!! ボケぇ~!!」 ビオラ「……」 ハーメル「ちょっと聞くだけで気分はレッドゾーン!! このサイケデリックバイオリニストの俺様の演奏を聞いたんだからな──!!」 ビオラ「はっ はい…」 ハーメル「この超特大バイオリンからかもしだされる甘美なハーモニーは ウィーン交響楽団がハダシで逃げ出してとほほほするほど すげ──んだぞぉ 光栄におもえ──い!!」 オーボゥ「こっ こりゃあ おい いいかげんにせんか!!」 ハーメル「じゃかまし──!」 オーボゥを殴り飛ばすハーメル。 オーボゥ「ぐほっ!!」 ハーメル「だいたい このせちがらいこのご時勢に あんなドまずいスープだけで元とれると思ってんのか──!! け──っ これだからガキってのはよ──!」 ビオラ「ごっ ごめんなさい」 ハーメル「この世で何が一番モノいうかってーと やっぱ金よ! 金持ってる奴がエラいんだよ──! あとはみんなクズだぁー!!」 ビオラ「あ あくま…… で でもウチは貧乏だし… お金なんてこれっぽっちも……」 ハーメル「…… それならしかたない」 ビオラ「えっ! いいんですか──!! (よかった… ちょっと冗談がすぎる人だけど 本当は……)」 ハーメルは家の中をあらかた盗み始める。 ビオラ「ああっ!」 ハーメル「けっ ろくなもんがねーなァ」 ビオラ「まって下さい! それをもっていかれると生活がぁ──!」 ハーメル「じゃかぁしいわい! 金払えんって言ったのは おまえやろが──!! これが社会のルールじゃあ よくおぼえとけ ボケ──!!」 ビオラ「母さん たすけて」 ハーメル「常識もわからん奴ぁこまるぜ ったく親のツラがみてぇや……」 オーボゥ「そりゃあ おまえじゃあ ボケェ──!!」 今度はオーボゥがハーメルを吹っ飛ばす。 ハーメル「何しやがんだ てめー!」 オーボゥ「どアホ者! おまえには人の心がないのか! だいたいだなハーメル! おまえはいつもカネ金かねとかな…」 ビオラ「ハーメル…… この人の名前…… まさか…」 突如、大きな振動。 ハーメル「!?」 声「わははは 人間共 出てきやがれェ──!」 オーボゥ「なっ なんじゃあ いったい?」 声「出てこねェと 家ごとふっとばすぞ──!!」 ビオラ「こっ この声は!」 先ほど様子を伺っていた魔物が、姿を現す。 魔物「うわっはは へへへ てめぇら金出しな!! 殺されたくなけりゃあな!」 ハーメル「野党の魔物か!」 ビオラ「やっぱりこの魔物は……」 オーボゥ「ビオラ!」 ビオラ「母さんを殺した奴だ──!」 ビオラが飛び出すが、あっという間に魔物に殴り飛ばされ、踏みにじられる。 オーボゥ「ビオラ!」 魔物「なんだぁ このガキゃあ~ 人間の分際で魔物様に逆らいやがってよ… わははは けっ 見たところ前にきた時と変わっちゃいねぇな… フン 貧乏のままだぜ! スズメの涙でも蓄えがありゃあ 俺の根城(アジト)にたんまりあるお宝のたしになると思ったが 役にたたねェクズめが!」 ハーメル「……」 魔物「しかたねェ 死んでもらうか」 さらにビオラが棍棒で殴り飛ばされ、血が飛び散る。 魔物「わははは!」 ビオラ「よっ よく…も かっ 母さ…ん を…… 母さんを!」 ビオラはボロボロになりががらもヨロヨロと立ち上がり、目に涙をためつつ、図太い魔物の脚を殴り始める。 あまりに弱々しいその拳は、とうてい魔物に通じるわけもない。 ビオラ「よ… よくも… 母さんを…… 母さんを!」 魔物「こっ このガキがぁ!! ナメんじゃあねーぞ コラぁ!! 俺はこの手で何百人も殺してんだ! てめぇのババァなんざ知るかぁ──!」 魔物はボロボロのビオラを、さらに痛めつける。 ビオラ (母さん ごめんね) 魔物「オラぁ とどめだ 死にやがれェ」 ハーメル「それくらいにしとけ!」 ビオラ「た 旅人さん…」 魔物「さっきの旅芸人か… おまえは金持ってそうだな…… 死にたくなけりゃあ有り金残らずよこすんだな!」 ビオラ「に 逃げて! 殺されます」 ハーメル「だまれ 悪魔が」 魔物「なに?」 ハーメル「きさまには地獄の鎮魂曲(レクイエム)がふさわしい!! 聴け! 邪悪な魔物! 魂の演奏を──! 『シューベルトの子守歌』だ!」 ハーメルが巨大バイオリンを担ぎ、奏で始める。 魔物「なっ あんだあ こいつ…? マヌケなカッコで楽器なんか弾き始めやがって (しかしこれは)」 ビオラ (さっきの曲とはちがう…… もっと力強く それでいて繊細な… 心に静かに優しく暖かく 入りこんでくる…) 演奏の中、ビオラの視界に夢とも幻ともつかない情景が広がる。 空から何人もの幼い天使たちが舞い降り、ビオラを囲み、笑いかける。 ビオラ (天使…… これは夢?) そこは一面に広がる草原と花畑。彼方に人影── それは、今は亡き母の姿。 ビオラ「かっ 母さん 母さん!」 優しく微笑む母の胸に、ビオラが涙をあふれさせながら、飛びこんでゆく。 ビオラ「わ──ん!」 ハーメル「芸術的な歌曲を数多く作り『歌曲王』と呼ばれたシューベルトが 母親の優美さ いとしい我が児(こ)への愛情を自然な音の動きで見事に表現した名歌曲だ……」 ビオラ「母さん…… すごく優しくてあったかいな」 声「ううう…」 ビオラ「!?」 魔物が目を潤ませ、滝のように涙を流してビオラを抱いている。自分が抱きついたのは母ではなく、魔物。 ビオラ「ゔわ゙──っ゙!!!!」 魔物「うっうっ わーん ごめんよー~ 俺がわるかったよ──! 俺は今までなんてひどい事をしてきたんだ──!! 許してくれェーい!」 ビオラ「バ バイオリンのすばらしい演奏によって 凶悪な魔物を改心させてしまった この人 神様?」 魔物「ごめんよぉ 俺がわるかったよー!! たのむ 俺をなぐってくれェ~ 気のすむまでなぐってくれェ~!」 ビオラ「あっ あの…」 ハーメル「よっしゃあ なぐったるわい!」 またもハーメルの態度が豹変し、魔物を叩きのめす。 ハーメル「おらおら このくれェじゃ気はすまねーぞ おめぇもなぐるんなら今だぞ──!!」 ビオラ「い いえ…」 ハーメル「聞くが… おまえの根城はどこだ……?」 魔物「あっ あの山の向こうですが…」 ボロボロになった魔物が、泡を吹いて気絶する。 ビオラ「あ ありあとうございました なんてお礼をいえばよいか… おかげ母の敵(かたき)がとれました」 ハーメル「礼などいらん! 金もな ゆくぞ オーボゥ」 ビオラ「なっ? あ… あの旅人さん あなた もしや」 その実力は大魔王でさえ凌駕するといわれる辺境最強の戦士──しかも武器らしいものは何ひとつ持たず魔物を倒す勇者ハーメル!! 夕陽の彼方へ颯爽と去ってゆくハーメルの雄姿を、ビオラが見送る。 ビオラ「やっぱりそうだよ (母さん 本当に神様だったのかもしれないよ…)」 「北へ」 「ゆくまえに……」 魔物のアジト。ハーメルが魔物の貯め込んだ財宝に歓喜している。 ハーメル「わははは あのバカモンスター こんなにためこんでやがった──!」 オーボゥ「おまえは勇者としての自覚がないのか──!」 そしてビオラの家では、母性愛に目覚めた魔物が、割烹着姿で目を潤ませている。 魔物「お母さんて呼んでもかまわないのよ ビオラちゃん♥」 ビオラ「助けて ハーメルさ…んっ」 (続く)
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雨の降りしきる夜。 地面に異形の怪物の肉片が蠢いている。手傷を負った異形の魔物。そして、魔物に挑む5人の者。 「く、くそぉ…… てめぇらなんかにやられてたまるかよぉ…… 何が5つの希望だよぉ! なんとか言ってみろぉ! ハーメルゥゥ──ッッ!!」 太古より人と魔族の戦いは、 その姿と形を変えつつ幾度となく繰り返されてきた。 だが、後に 「第2次スフォルツェンド大戦」と呼ばれる聖戦の幕を あの美しくも哀しい1曲のバイオリン演奏が開くとは、 誰が想像したであろう── 平和でのどかな村。どこからか光の壁が村中を駆け抜け、森の中の大岩から、魔物が姿を現す。 スフォルツェンド公国の王城。十数人の術師が、魔法陣を囲んで祈祷を捧げている。 しかし、術師が1人、また1人と倒れてゆく。 「第18結界師ビオラ様、倒れました!」「第27結界師シタール様、倒れられました!」 「どうした!? ヤツの結界返しを止められんのか!?」 「このままでは、千日手結界を越えて、完全にこちらの世界へ入ってくるぞ!」 謎の声「ハッハッハ。いい覚悟だ。わかっているではないか」 「結界師タンブラー様、お倒れになりました」 魔王軍の本拠地、北の都。魔王軍王長・ベース。 ベース「ついにこの日がやって来たのだ。貴様らの張ったうっとうしい結界のおかげで、我々はこの15年間、この北の都に追いやられ、身動きできなかった…… しかし、もうそれもおしまいだ」 スフォルツェンド公国・女王、ホルン。 ホルン「そうはさせません! 私がここにいる限りは、千日手結界、好きなようにさせるものではありません! 魔界軍王、冥法王ベース!」 ベース「フフフ…… 久しぶりだな。女王様」 再び村中を光の壁が駆け抜け、大岩から現れた魔物が、岩の中に戻る。 ベース「さすが、世界一の法力使い…… しかし!」 魔法攻撃の衝撃がホルンを襲う。 ホルン「うぅっ!?」 ベース「思った通り…… 貴様も自分の身体の限界は、どうにもならんと見える」 ホルン「いいえ、命に代えても!」 ベース「いぃや、ムダなことだ! なぜなら、すでに運命の歯車は回り始めた!」 ホルン「!?」 ベース「そうだ。大魔王の復活をかけた運命がな」 鎮魂歌(レクイエム) ここは、平和でのどかなスタカット村。 水車小屋に1人住む主人公・ハーメルが、鏡を覗き込む。頭に1本の角が生えている。 ハーメル「なんだ、これは? 今朝起きたら急に…… なぁ。何だと思う、オーボゥ?」 窓際に止まっているカラス、オーボゥに語りかけるが、オーボゥは答えない。 ハーメル「なぁ、オーボゥ?」 女性の声「それは2つの道──」 ハーメル「えっ?」 どこからか女性の声が聞こえるが、周りには誰もいない。 女性の声「そう、あなたの2つの道──」 そこへ、幼なじみの少女・フルートが駆け込んで来る。 フルート「ハーメル──! 何してるの、ハーメル? もう朝ごはん食べたの? あら、食べたのね。お片づけやお掃除やお洗濯は、今日じゃなくてもいいでしょ? 何グズグズして……」 ハーメルはとっさに、角を隠すために帽子をかぶる。 フルート「あら、なぁ~んだ。お出かけの支度してたとこなのね。じゃ、早くぅ!」 ハーメルを連れて家を飛び出したフルートが、養父でもある村の長老、レシクと鉢合せする。 レシク「おっと。おいおい、そんなに急がなくたって」 フルート「だって、今日は年に一度の収穫祭よ! お日様が昇ってお月様が高くなるまで、ちょっぴりの時間もムダにしたくないの。ほら、去年だってハーメルったら、お昼過ぎまで寝ちゃってて、気づいたらもう…… その前もうっかりして、麦畑で1日寝てたり!」 レシク「おはよう、ハーメル」 ハーメル「長老、おはようございます」 レシク「もう~、ダメじゃない! 肝心のバイオリン忘れちゃあ! オーボゥも早くいらっしゃい。お爺さん、先に行ってるね!」 フルートがハーメルの手を引き、村人たちに声をかけつつ、村道を急ぐ。 フルート「おばさん、おはよう!」 村人の女性「おはよう、フルート」 フルート「すてきな朝ね!」 村人の女性「あぁ、いい祭りになりそうね」 村人の男性「ハーメル! 今日もいい曲、頼むぞ!」 ハーメル「あ、あぁ!」 フルート「大丈夫よ。ほら、バイオリンはしっかり……」 慌てた末にフルートが石につまづき、ハーメルを巻き添えにして転倒。 村人たち「ハッハッハ!」「よぉ、いつも仲がいいねぇ!」「ご両人!」 フルート「もう…… 行くわよ、ハーメル!」 ハーメル「あっ! おい、バイオリン!」 丘の上の森の中から、1人の老人が村の景色を見渡す。 老人「間違いない、ここだ」 1羽の小鳥を捕え、足に手紙をくくりつける。 老人「さぁ、到着したことだけでもお伝えせねば」 その小鳥を空へ放つ。しかし、木々の間から不気味な触手が飛び出し、小鳥を捕える。 老人「何っ! まさか!?」 謎の声「見つけたぞ── 確かに見つけた── あいつを見つけた──」 老人が剣を抜き、思念を込める。 老人「行け……!」 小鳥が触手から解き放たれて空へ飛び立つが、老人自身が触手に捕われてしまう。 老人「うわぁぁ──っ!」 丘の麓を行くフルートたちが、悲鳴に気づく。ちょうど目の前に、あの老人が傷だらけで転げ落ちて来る。 フルート「きゃあっ!」 老人「う、うぅっ……」 フルート「誰? 知らない人…… ケガ? ケガしてる! ひどい……」 老人「あな……たは……」 フルート「しゃべらないで」 老人「も……もしや…… フ、フルー……」 フルート「ハーメル、何してるの? 手伝って! ねぇ、ケガしてるんだから早く!」 ハーメル「……あぁ、わかった」 ひとまず老人は、ハーメルの家へ運び込まれる。 オーボゥ「大丈夫か?」 ハーメル「さぁ……? でも、今は寝てるみたいだ」 オーボゥ「いや、その旅人を連れて来たことじゃよ」 ハーメル「掟のことか?」 オーボゥ「村には決して、よそ者を入れてはならん」 ハーメル「……」 オーボゥ「しかし、不思議とは思わんか? この、どこから見ても平凡でのどかな、平和そのもののような村に、なぜそのような掟が必要だと思う?」 ハーメル「さぁな…… 嫌いなんだろう、よそ者が」 オーボゥ「それじゃあ、どうしてわしらはここで暮せている? その、よそ者のわしらが」 そこへフルートが、荷物を抱えて現れる。 フルート「お待たせ。その人はどう?」 ハーメル「大丈夫。寝てるよ」 フルート「本当、大変なことになっちゃったよね。今日はお祭り」 ハーメル「そろそろ行かないと」 フルート「あ、待って。じゃあ、これ!」 荷物の中から、黒い布を広げるフルート。 フルート「へへ…… えいっ!」 ハーメル「わぁっ!」 フルート「ちょっと、おとなしく!」 ハーメル「や、やめろ!」 フルートの手により、ハーメルは黒い演奏用衣装をまとった姿となる。 ハーメル「これは……」 フルート「今度のステージ用の衣装。私が作ったのよ。でも、すっごく似合うわね」 ハーメル「行くぞ!」 フルート「これも!」 家を飛び出すハーメルが、フルートの放った帽子を受け取る。 フルート「ハーメル…… 本当、本当に良く似合ってるわ……」 一方で老人の放った小鳥は、ホルンのもとへ辿り着いていた。ホルンが小鳥の手紙により、事の次第を知る。 ホルン「頼みましたよ…… 一刻も早く!」 ベース「そう、うまくいくかな?」 ホルン「はっ!」 ベース「この15年の間、わしらが何の仕掛けもしなかったと思っておるのか?」 ホルン「仕掛け……?」 ベース「種はしっかりと蒔いておいた。貴様の術が弱まり、結界が緩むにつれて育つ種をな」 小鳥の体が弾け、無残な死体と化す。 夜、スタカット村の広場。祭りが催され、ハーメルたちの奏でる音楽に合せ、皆が楽しく踊り、歌う。 皆の様子を眺めているレシクのもとに、2人の村人がやって来る。 村人「どうしました、長老?」 レシク「あ? あ、あぁ。それがな…… フルートがおらんのじゃよ」 村人「フルートが?」 レシク「あんなに祭りを楽しみにしてる子が、ここがおらんとは……」 村人「ははっ。そんな心配しなくても」 レシク「うぅむ…… どうも気になるんじゃ」 レシクが、頭上の星空を見上げる。 村人「まさか……?」 レシク「やはり、星が多すぎるように見えてのぉ」 ハーメルのバイオリンの音色が響き渡る。 村人たち「いつ聴いても、大したもんだのぉ。あいつの演奏は」「あぁ。いつの間にか、あれはすっかり村の一員だ」 レシク「思い出すのぉ。どうやってか、わしらが、外からは入れぬはずのこの村にやって来て、本当ならたとえ子供であっても村に住まわせることはできんのに」 フルートはハーメルを連れ、家へと急ぐ。 フルート「早く早く!」 ハーメルの家では、あの老人が汗まみれで、苦しそうにうなされている。 フルート「見て。急にこんなになっちゃって。熱もどんどん上がっちゃって…… どうしよう、ハーメル? ねぇ。でも、お医者さんっていっても、村には連れて行けないし…… ねぇ。ねぇ、どうしよう?」 そこへ、レシクが現れる。 フルート「はっ、お爺ちゃん!?」 レシク「どうも様子が変だと思っていたら! フルート、この村の掟は知っておろうが! ハーメルもだ!」 家の隅に置かれている、老人の剣に気づく。柄に十字の紋章。 レシク「こ、これは……!? 2人とも早く、広場に戻りなさい!」 フルート「でも、この人が……」 レシク「後は私が何とかする。早く行くんだ!」 フルート「え、えぇ……」 レシクに押し切られ、ハーメルとフルートが家を出る。 レシク「そうか。ついに、お迎えが来たのか」 老人「は、はい…… 事態は、急を告げております……」 レシク「では、やはり結界が?」 老人「このままでは…… 一刻も早く、ひ、姫様を…… あ、あぁ……!?」 老人の口から、魔物の大量の触手が飛び出す。 ハーメルたちが異変に気づき、家を振り返ると、家から巨大な魔物の触手があふれ、レシクが捕われている。 レシク「フルートぉ! お逃げ下さい、フルート…… フルート姫様……!」 フルート「えっ……? 『姫』!?」 レシク「お逃げ下さい…… フルート姫……」 ホルン「まさか、あの子を!?」 ベース「そうだ。種は実った。それに、15年前に蒔いておいた種は、1つだけではない」 王城内の彫像が動き出す。 ベース「わしの声が届くのも、そやつらのおかげ──」 彫像が魔物と化してホルンに襲いかかるが、そこに現れた大神官クラーリィが、魔法の一撃で魔物を吹き飛ばす。 ホルン「クラーリィ!」 クラーリィ「ホルン様…… 無断でお部屋に入りました。お許しください」 さらに衛兵たちが駆けつける。 衛兵たち「ホルン様!」「ホルン様!」 クラーリィ「もう終わった。静まれ!」 衛兵たち「大神官クラーリィ様!」 (『お逃げ下さい、フルート姫!』) ハーメルとフルートが広場へ急ぐ。魔物が触手を振るい、後から追ってくる。 村人たち「なんじゃ、あれは!?」「魔族じゃないのか!?」「そんなバカな!?」 レシク「守れ──っ! フルートを!」 村人たち「フルート!?」「フルートだ!」「ハーメルも追われてるぞ!」 レシク「フルートを守れ、各々方!」 村人たち「承知しました!」「ヤツを止めるぞ!」「囲みを作れ!」「鍬でも鎌でも、武器になるものを取れ!」」「女たちは剣を取りに行け!」「火だ! 火を取れ! フルート「ヴォカリーズさん! アダージォさん!」 村人たち「早くお逃げ下さい!」「ハーメル、姫を頼む!」 フルート「姫!? 姫…… 姫って!?」 村人たちが必死に農具を振るって魔物に立ち向かうが、触手の1本がフルートを捕える。 レシク「姫様ぁ!?」 ハーメル「フルートぉぉ──っ!」 村人たち「逃がすな! 姫を取りもどすんだ!」 魔物「捕まえたぞ── 姫を捕まえたぞ── 捕まえたぞ──」 そのとき。夜空に満ちていた星々の光が無数の光の粒子と化し、空中に形を成してゆく。 レシク「こ、これは……!?」 村人たち「ま、まさか……!?」「おぉっ、ホルン様の結界が!?」 ハーメル「わ、わぁぁ、わああぁぁ──っっ!?」」 途端にハーメルが激昂し、その脳裏に様々な記憶がよぎってゆく。 幼い自分が鎖に手を縛られ、誰かに引きずられていく様子。女性が箱を開き、中から無数の魔物が飛び出す光景。 ハーメル「何だ……?」 地面を埋め尽くす無数の屍を乗り越えてゆく、幼い自分。巨大な水晶柱の中に閉じ込められた美女。 ハーメル「だ…… 誰だ、これは……?」 そして、その美女がハーメルの家で、幼いハーメルにバイオリンを教えている光景。 女性の声「そう。それは、あなたの道── よく聞いて、ハーメル。2つの道は、あなたにとって……」 ベース「ハッハッハ! 消えた、消えたぞ。ついに結界が消えたぞ。これで、再び世界は我々魔族のものとなるのだ」 どこからか、バイオリンの音色が響く。 ベース「むっ…… バイオリン?」 魔物を前にして、ハーメルがバイオリンを奏で始めている。 村人「ハーメル……」「ハーメル!」 魔物「舐めるなぁ!」 そこへ、オーボゥが飛来する。 オーボゥ「ハーメル! 曲を弾き続けるんじゃぁ!」 レシク「オーボゥが、しゃべった!?」 魔物の触手がハーメルへ迫る。バイオリンの音色が勢いを増してゆく。 レシク「おぉ…… こ、この曲は!?」 オーボゥ「左様、モーツァルトの『鎮魂歌(レクイエム)』」 レシク「レ、レクイエム? 死者の霊の安息を祈るミサ曲……」 オーボゥ「しかもこれは、音楽史史上最大の天才児モーツァルトが、自らの死を予感して、自分のために書いたといわれる最後の名曲!」 魔物の触手に捕われていたフルートとレシクが解き放たれる。 オーボゥ「魔物とは、もともと魔界の力が苦しむ魂を召喚し、人間界に甦らせたもの。そしてレクイエムとは、死者の霊を慰めるためのもの。それゆえ、魔物の魂は安らぎを得て、その存在を自らかき消してしまう!」 触手がみるみる消滅してゆき、その中にいた、ハーメルたちに救われたあの老人が地面に投げ出される。 ベース「レクイエム…… フッ、気のせいか。が、ちょうどいい。まさしく人間世界への、鎮魂歌(ちんこんか)よ」 ホルン「いいえ。これこそは祝福の曲。そう、祝福してくれているのです。これから起こる戦いの中、世界の運命を左右する『パンドラの箱』! それを守る、5つの希望の誕生を……」 虫の息の老人に、フルートたちが駆け寄る。 老人「フルート姫…… スフォルツェンドへ…… は、母上、女王陛下がお待ちです……」 老人が事切れる。 フルート「女王陛下……? お母さん……?」 女性の声「2つの道は、あなたの道──」 (続く)
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パンドラ「お願い…… 箱を開いて。そしてあの人を、ケストラーを…… 箱を開けて……」 ホルン「そんな……!?」 パンドラ「お願い、サイザー……」 サイザー「私は、パンドラに…… 母に愛されていた……? なのに、なのに私は……」 夫である大魔王ケストラーをパンドラの箱に封印してしまったことを後悔するパンドラ── 終わりなき ひとつの道 サイザー「私は……」 サイザーが母パンドラに触れようとするが、限界の近づいているパンドラの体は、触れただけで霧と化してゆく。 パンドラ「サイザー…… お願い…… お……ね……」 パンドラの姿が跡形もなく、完全に消えてしまう。 サイザー「母……さん……」 ギータ「そ、そんな!?」 ベース「バカめが!」 オーボゥ「な、なんということだ……」 ハーメル「パ、パンドラ母さんが…… わああぁぁ──っっ!!」 母パンドラに一瞥もされなかったハーメルが、魔族と化した姿のまま、慟哭する。 オカリナ「父上……」 オーボゥ「オカリナ…… わしらはな、妖鳳(ようほう)の翼を持つ者は、決して大魔王を魔族どもに渡さぬためだけに存在する。なぜなら大魔王とは、魔族にとっての生命の源!」 フルート「えっ!?」 ベース「ちっ!」 オーボゥ「そう、ヤツらにとって欲しいものは、大魔王としての力ではなく、その存在そのもの。大魔王は魔族たちに生きる力を与えるエサ!」 サイザー「魔族のために生きる大魔王…… それが父上、ケストラー……?」 オーボゥ「サイザー、その箱を潰せ! その箱を! さぁ、早く!」 ギータ「黙れぇぇ!」 ギータの腕が巨大な竜のような怪物と化し、オーボゥに炸裂する。 オーボゥ「ぐおおぉぉ──っ!」 ライエル「な、何っ!?」 トロン「あれは!?」 コルネット「ひ、ひどい……」 ギータ「フフフフ、ハハハハハ!」 ベース「やはり、お前だったか。道理でわしの言うことを聞かぬ死霊がいると思ったが」 ギータ「そう、超獣王(ちょうじゅうおう)は倒した者の血を食べて、相手の能力を自分のものにできるんですよ」 オーボゥ「う…… う……!?」 ギータ「残念でしたねぇ、妖鳳王オーボゥ様。どうです、ドラム様の竜の味は?」 オカリナ「ち、父上……!?」 ライエル「やめろぉぉ!」 トロン「ギータ──っ!」 ライエルたちがギータに挑むも、次々に返り討ちに遭う。 一同「わああぁぁ──っっ!?」 ギータ「ハハハハハ! もはや私には、敵などないのですよ! ハハハハハ!」 しかし、怪物と化したギータの腕の中から、ギータに喰われたはずの幻竜王(げんりゅうおう)ドラムが出現する。 ギータ「ハハ…… は?」 ドラム「待っていたぞ…… このときを! お前の血の中で、お前が俺様を解放してくれる、このときをなぁぁ!」 ドラムがギータに突撃。 ギータ「ギャアアァ──ッッ!?」 ドラムもギータも肉片となって弾き飛び、双方とも消滅し、ボロボロのオーボゥが地面に投げ出される。 オーボゥ「うぅ……」 ベース「わきまえることを知らぬ。たかがイヌの分際で」 その隙にサイザーは、箱の蓋に手をかけている。 オーボゥ「や、やめろ、サイザー! うぅっ、お前も翼を持つ天使、我々と同じ神の使い! その使命を怠れば、真の堕天使の道を歩むことになろうぞぉぉ!! やめんかぁ、サイザー!!」 サイザー「くッ…… うるさぁぁ──い!!」 一同「……!?」 サイザー「何もかも知っていたクセに、何も教えてはくれなかったクセに、勝手だ! 勝手すぎるぞ! 都合のいいときだけ、言うことを聞けというのか?」 オーボゥ「そ、それは……」 サイザー「すぐそばにいたクセに、肝心なことは何もおしえてやくれなかった……! 誰1人として……」 ホルン「確かに、私たちには何を言う資格もないのかもしれない……」 ハーメル「……」 サイザー「ねぇ、兄さん…… そう思うでしょう?」 父ケストラーの封印されている箱を、サイザーが開いてゆく。 ライエル「だ、大魔王の……」 トロン「復活……」 コルネット「これで……」 オーボゥ「世界は…… 終わるのか?」 ホルン「それも、また……」 そして箱の中身は── サイザー「はっ……!?」 それは、鳥になれなかった鳥のように見えた 箱の中には、小さな化石のような石片。 呆然としたサイザーの手から箱が落ち、地面に転がる。一同も愕然としている。 オカリナ「サイザー……様……」 フルート「これが…… 箱の中身……? これが…… こんな、こんなもののために、私、私たち…… こんなもののために、私たち!!」 フルートがその箱の中身を拾い上げ、地面に叩きつけ、粉々に叩き割る。 ベース「ハハハハハ…… ハハハハハ!」 クラーリィ「何!? ホルン「まさか!?」 クラーリィ「ホルン様!?」 ホルン「まさか、そのようなことが!?」 ベース「さすがはホルン、気がついたか? 箱を開き、大魔王をこの世に解放したことを!」 ホルン「はっ…… や、やはり!?」 人々「ホルン様、一体どういうことです!?」 突如、ハーメルに異変が起こる。 体から瘴気が吹き上がり、顔つきがみるみる変ってゆく。 ハーメル「グウゥッ……!」 フルート「はっ……!?」 ベース「そうだ! たとえケストラー様の姿はなくとも、大魔王として受け継がれてゆく魂は滅びぬ! 再び、その魂がハーメルという体に宿り移れば、復活は成る!!」 ライエル「そんな……!?」 フルート「ハーメル!?」 ハーメル「グウウゥゥッ……!」 変貌するハーメル目掛け、オーボゥが突撃。 オーボゥ「ハーメル、許せぇ! 今ならば、わしの命と引き換えることもできよう! 許せ、ハーメル! 大魔王を、大魔王を復活させるわけにはいかんのだぁ! 死ね、ハーメルぅぅ!!」 サイザー「させるかぁぁ!!」 サイザーがオーボゥ目がけて大鎌を振るが、ライエルが精霊を放ち、かろうじて2人の衝突は避けられる。 だがトロンとコルネットもまた、涙を流しつつ剣を手に、サイザーに挑もうとしている。 サイザー「お前たち……!?」 オーボゥ「サイザー、まだわからんのか!?」 サイザー「翼を持つ者の使命、そんなものに何の意味がある? 己の想いこそが、己の想いこそが…… 私の成すべきことを決める」 ハーメルの肉体の変貌が続く。 オカリナ「サイザー様…… 泣いていらっしゃるのですか? サイザー様……」 ベース「ハハハハハ! でかしたぞ、サイザー! もはや、こんなところに用はない! 私もそちらへ行く!」 ホルン「お待ちなさい、ベース」 ベース「むっ?」 ホルン「私の息子を、返していただきます」 パーカス「ホ、ホルン様!?」 ベース「な、何ぃ!?」 ホルン「死ね、ベース!」 ホルンとベース、双方の魔法攻撃が激突。 ベース「うおおぉぉ──っっ!」 ホルン「ああぁぁ──っっ!」 一同「ホルン様!?」「ホルン様!?」 ホルンとベース、2人とも地面に叩きつけられる。 パーカス「ホ、ホルン様……? ホルン様ぁぁ!」 ベース「う、うぅ…… か、体が動かん……」 クラーリィ「ベース! 覚悟ぉぉ!!」 クラーリィがベースに挑むが、逆にベースの魔法で吹っ飛ばされる。 ベース「バカめ! こんな操り人形のような体など動かなくとも、まだまだ貴様らなどに……」 だが、ベースが肉体として操っていたホルンの息子リュートの体が、自ら立ち上がる。 ベース「な、何!? まさか…… そのような!?」 リュート「16年…… 長かった」 ベース「き、貴様……!?」 リュート「母上の最後の法力によって、我は甦った!」 クラーリィ「……リュート様!?」 リュート「母上。ただ今、帰りました」 ホルン「リュート…… 私の息子……!」 ベース「お、おおぉぉ──っ! リュート、貴様ぁぁ──っ!!」 リュート「スフォルツェンド公国、女王ホルンはただ今をもってその王座を、正当なる第一王位継承者にして我が妹、フルートに譲り渡すことを決した! さぁ、新しき女王よ! 全世界にその威を示せ! 見事、すべての不幸を断ち切って見せよ!!」 しばし呆けていたフルートが、地面に転がっていたパンドラの箱を拾い上げる。 オーボゥ「フルート……」 サイザー「そんな……!? そんなはずはない!」 フルート「ごめんね、ハーメル…… 私…… 世界を救える、たった1人の女の子なんだって」 すでに人間とはかけ離れ、完全に魔物の姿と化したハーメル。 フルートの脳裏を、ハーメルとのさまざまな思い出がよぎる。 オーボゥ「大魔王の心を、愛を奪った者こそが、開放と封印の資格を持つ」 フルート「私、今でも…… そんな姿になっても、あなたのことが大好き!」 ハーメル「グウウゥゥッ……!」 フルート「でも、私はスフォルツェンドの女王…… 世界を救える、たった1人の女の子なの」 コルネット「姫ぇ!?」 サイザー「やめろぉぉ!」 フルート「こうすれば…… この箱の中で、あなたを私のものにできる……」 箱が完全に閉じられ、フルートは箱を、愛おしそうに抱きしめる。 サイザーはトロンとコルネットに武器を突きつけられ、閉じられた箱を前にして固まっている。 呆然として一部始終を目の当たりにしたライエル。 事切れたオーボゥ、オカリナ。 スフォルツェンドではベースが、自分の操っていたリュートの手により、塵と化していた。 すべての終わったスラー島に、サイザーは1人、取り残される。 サイザー「本当に、1人きりになってしまったのか…… 復讐、それさえ私には残されていない…… さて、どこへ行く……?」 すべてを失ったサイザーが翼をはためかせ、夕陽に向かって飛び立つ。 だが、気を落とすことはない。サイザーよ。 これでいい、これでいいのだ。 すべては再び、時が解決してくれるだろう。 なぜなら、フルートが本当にこのまま、 箱を開かずにいられると思うか? そうだ。間違いなくフルートもまた、 パンドラと同じように、 箱を閉じたことを後悔するに違いない。 開こうとするに違いない! フルートは心の底から、 ハーメルを愛し続けているのだから! そのときを、そのときを楽しみに待つとしよう── ライエルは旅一座を継ぎ、喪失感に満ちた表情で、旅を続けている。 トロンは故国ダルセーニョの王となり、コルネットを妻に迎えた。 スフォルツェンド王国。女王となったフルート。 クラーリィ、パーカス、リュートに囲まれ、笑みを失ったフルートが、ハーメルの封じられた箱を前にバイオリンを奏でている。 (『ハーメル、何してるの? もう朝ごはん食べたの? お片づけやお掃除やお洗濯は、今日じゃなくてもいいでしょ? 何グズグズして…… ──あら、なぁ~んだ。お出かけの支度してたとこなのね』) 故郷・スタカット村、丘の麓の道を行くハーメルとフルートの元に、傷だらけの老人が転げ落ちてくる。 第1話とまったく同じ光景。フルートの回想か、もう一つの物語か──? フルート「きゃあっ!」 老人「う、うぅっ……」 フルート「ひどい……」 老人「あな……たは……」 フルート「しゃべらないで」 老人「も……もしや…… フ、フルー……」 フルート「ハーメル、何してるの? 手伝って! ねぇ、ケガしてるんだから早く!」 ハーメル「……フルート、俺は村の掟を守る。よそ者にかかわる気はない」 フルート「えっ……?」 ハーメル「急げ、フルート。今日は祭りだ」 第1話で老人を救ったときとは正反対に、2人は老人を見捨て、祭りへ向かう。 夜、スタカット村の広場での収穫祭。 音楽の演奏を一休みしたハーメルが、フルートともに長老レシクのもとへやって来る。 フルート「お爺さん!」 レシク「おぉ、フルート。ハーメルも一休みか?」 ハーメル「はい」 レシク「どうした、フルート? あまり元気がないようじゃが」 フルート「えっ? うぅん、そんなことないよ。とっても楽しい」 レシク「おぉ、そうかい。ほら、見てごらん」 星に満ちた夜空を、レシクが見上げる。 レシク「今夜は星が多い…… わしらの幸せを、祝福しているかのようじゃ」 フルート「本当、きれい……! まるで……」 星の満ちた夜空、それは不吉の前兆── (終)
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かつて──全ての魔族を封じ込めた箱がありました。それは"パンドラの箱"と呼ばれていました。長い年月によりその箱に綻びが生まれ、そこから魔族達が世に溢れ出しました…。そして人々は…“千億の絶望"に苦しめられました…。しかし―――勇者と、その仲間が現れて、世界を闇から救ったのです。 第 1 楽 章序曲 スフォルツェンド だけど―――世界を覆った闇はまだ……完全に消えてなかったのです…… 幼い少年が、巨大な怪物に追いかけられている。 「うわああ…… うわああ あっ… たっ! たあすけてェエ」 怪物の爪が少年を捕え、牙が少年に噛みかかろうとしたそのとき── 強烈な魔法の攻撃が炸裂する。 怪物はバラバラに吹っ飛び、肉片と骨の残骸と化す。 救い主が少年に微笑みかける。 前作でも登場した魔法使い、クラーリィ・ネッド。 ボクを… 救ってくれたのは… スフォルツェンド魔法兵団といいました… あれから… 10年… 「そうだっ…! トンネルを抜けると いよいよ…」 蒸気機関車が、魔法大国スフォルツェンド公国へと近づいてゆく。 主人公の少年・シェルが、デッキの窓から顔を出す。 シェル「うわぁぁっ 大きいなぁ… さすが魔法大国──スフォルツェンドだぁぁ── 先の大戦で魔族を倒して以来…… 人間界の中心となって 世界の治安を守っているだけあるッ ここから…… ボクの…運命が── 変わるんだッッ」 首から提げている裁縫箱が、かすかに動く。 シェルが裁縫箱に語りかける。 シェル「なんだい? まだ眠いのかい? ごめんね 何度もデッキに出てきてるから… でもさっ! ついに来たんだよ スフォルツェンドに… いよいよだよ ピロロ… ボクらの挑戦が始まるんだ ね ピロロ 寝ボケてないで… 出てきたらっ? ボクなんか踊り出したい気分だよ フフフ…」 声「うるせェんだよォッ!」 客室を見ると、いかつい大男が、女性客の連れている赤ん坊を取り上げ、怒鳴り散らしている。 大男「オレは赤ん坊の泣き声が大嫌ェなんだよォ! 泣くんじゃねェ コラぁぁ!」 母親「やめてください やめてェェ」 シェル「なっ」 母親「ぼうやっ」 シェル「ちょっとお…… やめてあげてください かわいそうじゃないですか…」 赤ん坊「オギャアア」 シェル「それじゃあ よけいに赤ちゃん泣いちゃいますよ!」 大男「なっ」 すかさずシェルが赤ん坊を奪い返し、あやす。 シェル「ボクがおもしろい魔法 見せてあげるよ! ボク シェルっていうんだっ!! ヨロシクね…!」 母親「マホーって あなた… “魔法使い”なの?」 シェル「いえ… 違いますけど… 今は… 何もできないけど… いつか… 必ず… 立派な大魔法使いになるんだ そのために スフォルツェンドに来たんだ!」 再び、首から提げた裁縫箱に語りかける。 シェル「ほらっ 出ておいでよっ ピロロ… みんなにアイサツ! ねェ… 赤ちゃんを喜ばせて! どうしたの? ほらっ! 早く出といでよ! 気まぐれさんだから しょーがないなー ほらっ! ピロロ!」 大男「フザケんな──っ!!」 たまりかねた大男がシェルに殴りかかり、赤ん坊が泣きわめく。 赤ん坊「オギャァ」 母親「キャアァ」 大男「黙ってりゃあっ! なめやがってぇよ! ガキがあああ この“ハンマーボルト”のブルトン様にタテつきやがってよおお!! チビめ」 ブルトンと名乗るその大男がイラついた様子で、シェルを殴り続ける。 ブルトン「おまけに… 魔法使いになるだとぉぉ ハハハ 笑っちまうぜェェ!! おいおい 魔法がどんなモノが知ってんのかよ!? そりゃああスゲェェ特殊能力よぉぉ! 全長10メートルもある巨人族すらブッ飛ばしちまうって話だからなぁ──っ! そんなすげェェことできんのはぁ 10万人に1人っていうしなぁ!」 シェルがブルトンに締め上げられ、窓の外に突き出される。 ブルトン「凡人にゃあできねェェ! おめぇにそれができんのかよぉぉ! しかも大魔法使いだとぉ? ハハハ」 乗客たち「そ… 外に…」「落ちる…ゾォォ!!」「ひっ ひどいっ」 ブルトン「その… 自慢の…マホーとかでよぉぉ この危機を…なんとかしてみろよぉぉ!」 シェル「…… ボクは… 絶対… 大魔法使いに なるんだああっっ!!」 ブルトン「けっ!!」 ♪ ♪ 乗客たち「んっ? 何かしら?」「これは?」「曲…か?」「なんとも楽しそうな…」「愉快な気持ちになる…」「踊りたくなるような…」「曲じゃのぅ…」 ブルトン「な… なんでェ… いったい?」 その音楽に合せるように、シェルの裁縫箱から小さな妖精が飛び出す。 乗客たち「えっ?」「何っ!?」「妖精!?」「妖精…だぞっ!!」「妖精が…っ」 妖精のピロロ。 2枚の翅で宙を舞いつつ、裁縫のハサミをダンスパートナーに見立て、音楽に合せて踊り出す。 乗客たち「布切りバサミと踊ってるっ!! 曲に…合わせて…」「すごい… この妖精が奏でてるのかしら…?」 シェル (違う… この曲は… 妖精(ピロロ)の能力じゃない これはバイオリンの曲… いったい誰が……?) 赤ん坊「プッ きゃっ きゃっ キャキャ…」 母親「ぼっ ぼうや…!」 赤ん坊が笑いだす。 さらにピロロは、ブルトンにも手を伸ばす。 ブルトン「お? うぉっ なんだっ……?」 シェル「!?」 バイオリンの音色とピロロのダンスに導かれ、ブルトンまでが踊りだす。 ブルトン「ぐっ… 体が ゆーこと…… きかねェッッ…! 勝手に… 踊って… ちきしょ──っ!!」 乗客たち「ワハハハッ」 ブルトン「笑うんじゃねェ──っ!」 バイオリンの演奏の主が姿を現す。 もう1人の主人公の少年、グレート。 シェル「こっ… この人が…?」 ブルトン「くっ てっ てめえかっ! ちきしょ── こんな目にっっ」 グレート「謝んな… これだけ迷惑かけてんだ…」 ブルトン「なっ ザケんな…」 乗客「うわっ」 ブルトン「オレぁ腕っぷしが自慢で通った… “ハンマーボルト”のブルトン様よぉぉ── 誰が謝るかぁ──っ」 シェル「!!」 ブルトンが殴りかかるが、グレートは臆せずにバイオリンを構える。 グレート「ベートーヴェン作曲… 《エリーゼのために…》!!」 再びバイオリンの音色が流れ始める。 乗客たち「おおっ」「なんだ」「この曲はぁぁ」「なんて… 美しい曲なんだッ」「優雅で甘美で切ない旋律」「まるで きれいなお花畑を恥じらうように歩く乙女のようだ──っ!」」 グレート「これは… ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1810年 秘かに愛したテレーゼ・マルファッティのために贈ったピアノ詩曲 ベートーヴェンからテレーゼへ… 純粋で清らかで可憐で儚くも美しいその姿を想い── 心を込めて作曲(つく)った愛情溢れる少女の曲なのだぁあ──っ!」 バイオリンを奏でるグレートの背後に、音色とともに、ベートヴェンとテレーゼの美しい情景が浮かび上がる。 シェル「(すごい… ベートーヴェンの純愛が見えるみたいだ… 穢れた心が洗われていく…… まるで… まるで…) ──! ハッ……?」 見ると、その音色を浴びたブルトンもまた、恥らう乙女のような顔つきに変貌している。 しかし体格はゴツイ大男のまま、顔だけが乙女で非常に不気味。 ブルトン「ああ… ごめんなさい…… 私がいけなかったの… ああっ 私… 今まで何…やってたんだろ… ごめんなさい みんな… ごめんなさい… でも… 私の心は今…… 雪が解けた春のように… 温かいの こんな優しい気持ち… ブルトン初めて…」 乗客たち「ひいいっ 腕っぷしが自慢の“ハンマーボルト”のブルトンがああ──っ 恥じらう乙女にィィ──っ!!」 ブルトン「あら かわいい赤ちゃん フフフ」 赤ん坊「オギャア──っ!」 母親「ひぃぃ やめてくださいィっ!」 乗客たち「ギャ──っ 逃げろぉぉ」「気持ち悪ィィ──!」 シェル「地獄絵図だな… (でも すごいっ… あんな凶暴な人を ここまで変えるなんてッ これは 魔法…?)」 グレート「おまえも… スフォルツェンド魔法学校に入るのか?」 シェル「えっ?」 (続く)
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「諸君!決闘だ!」 ヴェストリ広場に大勢の見物人が集まる中、その中心でギーシュ・ド・グラモンは薔薇を口にくわえながら宣言した。 そこへピンク色の髪をした一人の少女が、人垣をかき分けてギーシュの前に出てくる。 「ギーシュ!やめて!決闘は禁止されているはずよ!」 その少女、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールは懇願するように叫ぶ。 しかしギーシュはそれを気にした様子もない。 「禁止されているのは貴族同士の決闘だ。平民との決闘は禁止されていない。 それにしても君の使い魔はどこにいるんだね?」 すぐに来るよう言ったはずだが姿が見あたらない。と言いつつあたりをキョロキョロと見渡す。 食堂を出ていったのを見かけたルイズも不思議に思い、その姿を探す。 そこへ周りからヤジが飛ぶ。 「逃げ出したんじゃないのか?」 「随分腰抜けだな!」 「ゼロの使い魔は、プライドもゼロか!」 ゲラゲラと笑いながらいう野次馬に、カッとなったルイズは怒鳴ろうと口を開こうとする。 しかしルイズは何かに気づいたようにハッとして、口を閉ざし辺りを見回す。 ギャラリーはそんなルイズの様子を訝しく思ったが、どこからかバイオリンの音色が響いたのを聞きつけた一人が声をかける。 「おい、この音はなんだ?」 その言葉に周りもようやく気づく。 その音色に聞き覚えがあるルイズは、姿を探すが見あたらない。 ギャラリー達も出所を見付けようと辺りを見回す。 「あ!あそこだ!」 そのうちギャラリーの一人が見付けたようだ。 広場に面している一つの塔の屋根の上を指さす。 そこにはカラスを肩にとまらせ、巨大なバイオリンを背負い、太陽をバックに曲を演奏する男がいた。 男が演奏をやめ、広場を見下ろしながら口を開く。 「すぐにその汚らしい口を閉ざすんだな。さもなくば地獄への行進曲を聞くことになるぞ」 不思議な威圧感を出しながら言う男に、周りの野次馬は口を閉ざす。 男の肩にいたカラスがルイズの近くまで飛んできて、その肩にとまる。 「ルイズ落ち着くんじゃ。いちいち反応していたらキリがないぞ。ハーメルも降りてこんかい」 「オ、オーボウ」 カラスはルイズに話しかけ、その後塔の上の男に向かって言う。 そのカラス――オーボウ――の言葉を聞き、男――ハーメル――はフッと笑い、塔から飛び降りる。 「おお!?」 「飛んだぞ!」 その行為に周りがどよめく。 ハーメルは巨大なバイオリンを背負ったまま、クルクルと回りながら塔から落下し―― どがぁぁぁ!!!べきっ!!! ――そのまま墜落した。 「うぎゃあああ!!!大骨折したあああ!!!」 痛すぎる~!と叫きながらハーメルは右足をおさえ、ゴロゴロとのたうちまわる。 そのあんまりな光景に周りはポカーンとしている。 そんな周りを無視して、ハーメルは何事もなかったかのようにマントを翻しながら立ち上がり、ギーシュに言い放つ。 「フッ、このおれが『伝説の最強最大勇者』超特大バイオリン弾きのハーメル様だ。逃げ出すのなら今のうちだぞ」 「足折れたままだぞ……?」 右足をプラプラさせ、バックにゴゴゴゴというエフェクトをつけながら言うハーメルに、見物人のひとりがつっこむ。 「ふ、ふんっ。に、逃げ出したわけではないようだね」 いろいろとペースを乱されたギーシュは、多少ドモリながら声をかける。 「怯えずに来たことはほめよう。さぁ決闘を始めようじゃないか!」 そう宣言するギーシュの声に、ルイズはハッとして止めようと身を乗り出す。 しかしそれはオーボウに止められる。 「やめるんじゃ、ルイズ」 「オーボウ!?どうして!?」 「言ったところでやめはせんじゃろう。ハーメルも一度決めたら人の話を聞くような男ではない」 「そんな!?」 オーボウとルイズが言い合いをしているのを気にせずに、ギーシュは薔薇の造花を一振りする。 花びらが一枚地面につくと、そこから煌びやかな装飾がされたゴーレムが一体出てきた。 「僕はメイジだ、魔法を使ってお相手をしよう。僕の二つ名は『青銅』、『青銅』のギーシュだ! 青銅のゴーレム『ワルキューレ』を使う!行け!ワルキューレ!」 ワルキューレがハーメルに向かって突進してくる。 「ハーメル!危ない!」 ルイズはそれを見てハーメルに声をかける。 それに対しハーメルは冷静に―― ガシッ! 「へっ?」 オーボウを掴み。 ズボッ! 「グッ!?」 ダイナまいと、と書かれた筒をオーボウの口に押し込み。 「そりゃあああ!!オーボウ爆弾!!!」 ワルキューレに向かってぶん投げた。 どがああああああん!!! 着弾し爆発をするオーボウ。 それを見たルイズはハーメルの胸ぐらをつかみ叫ぶ。 「あ、あああああんた何してんのよ!!!」 「フフフ…こんな時のために用意してあったオーボウ爆弾だ」 「アホかいっ!!」 詰め寄るルイズに、なんの悪びれもなく答えるハーメル。 「ハ、ハーメル…貴様……」 「オ、オーボウ!オーボウ!!」 「え―――い、死んでしまったやつのことは考えるな!」 「あんたがやったんでしょうが―――!!!」 ピクピクと瀕死の状態で呻くオーボウ。 心配して声をかけるルイズとそれを気にしないようにいうハーメル。 「ふ、ふふふ。こんなに馬鹿にされたのは初めてだよ」 自分を無視され、怒りにプルプルと身を震わせるギーシュ。 彼は薔薇を振り、さらに六体のワルキューレを出す。 「君は僕の全力で叩きのめしてあげよう!!」 その声と共に六体のワルキューレがハーメルに襲いかかる。 ルイズと言い争いをしていたハーメルは、その攻撃を無防備に受けてしまう。 「きゃあ!」 それを見たルイズが悲鳴を上げ、涙目になり叫ぶ。 「や、やめてえええ!!!」 「いてぇじゃねぇか!このボケえええええ!!!」 叫びながらワルキューレの一体を持ち上げ、残りを蹴散らすハーメル。 「へ?」 「バ、バカな!?」 まったく攻撃がきいてない様子に惚けるルイズと、驚愕するギーシュ。 「よくも俺様のエレガントビューチーフェイスをしこたま殴ってくれたな~。この代償は大きいぞ~。」 ハーメルは立ち上がりながらバイオリンを構える。 「この超特大バイオリンで聞かせてやる!死の序曲をな―――!!」 そう言い放ちバイオリンを担ぎ、踊り狂うように曲を弾き始める。 「な、なんだ!?ヘンテコでバカでかい楽器をマヌケに弾き始めたぞ!?」 「バイオリンだ!バイオリンにこだわっているんだ!!」 ハーメルの奇行にギャラリーがざわめく。 「こんな時にいったい何を考えているんだ?」 「でも…とても美しい演奏だわ…」 困惑するギーシュ。 マヌケな行動だが、曲は美しいというルイズ。 「マーラー作曲、交響曲第十番《大地の歌》じゃ」 「オーボウ?」 そこへいつの間にか復活したオーボウがルイズの肩にとまり、語る。 「家庭に恵まれなかった偉大なるシンフォニスト、マーラーが最後に残した曲じゃ。 これを聞いたものは、生涯で一番心に残る場面を思い出すという」 (涙が……) ルイズの脳裏に過去の情景が浮かんでくる。 魔法の練習で失敗し、怒られたルイズはベッドへ潜り込んで泣いていた。 そこへ姉のカトレアが来る。 "ルイズ、どうしたの?" "また魔法を失敗しちゃった……" 優しく声をかけるカトレア。 むずがりながらカトレアに抱きつくルイズ。 カトレアはルイズの頭を撫でながらあやす。 "気にすることないわ。あなたはきっとすごいメイジになれる。 お父様よりもお母様よりもお姉さまや私よりずっとすごいメイジよ 間違いないわ、私の可愛い小さなルイズ" (ちい姉さま……っ!) ルイズはいつも自分に優しかった姉を思いだし、ポロポロと涙を流す。 「おい!あれを見ろ!」 ギャラリーの一人が何かに気づき、指をさしながら声を出す。 その声にハッとなり、その指さす方向をみるルイズ。 「うぅ~…ごめんよ~もうしないよ~許してくれ~…」 そこには涙を流し土下座するギーシュの姿があった。 「な、何があったのかしら?」 冷や汗を流しながらルイズはオーボウに訪ねる。 「おそらく過去の所行を思い出しているのじゃろう」 「あ~…なるほど…」 おそらく過去に付き合っていた女性に浮気がばれ、怒られている所を思い出したのだろう。 そう判断したルイズはハーメルを探す。 「ほ~れほれ、頭を地面にこすりつけんか」 ルイズが見付けたのは、ギーシュの頭を踏みつけ、なぜか自身に土下座させるハーメルだった。 脱力するルイズ。 「許してください!もう不誠実なことはしません!ですから……」 邪気がいっさい無い目でハーメルを見つめるギーシュ。 だまってそれを見下ろすハーメル。 固唾をのんで見守るギャラリー。 「だぁれが許すかこのボケえええ!!!」 ハーメルは邪悪な笑顔で新たな曲を弾き始める。 「や、やめてくれ~!はずかしすぎる~!!」 曲を聞くとギーシュは全裸になり、どこからか出したお盆で股間を隠し、踊り始める。 「そ~れ、踊れ踊れ~」 「誰かやめさせろ!見苦しすぎる!!」 とても楽しそうに曲を弾くハーメル。 ギャラリーはあまりに惨たらしいギーシュの姿に哀れみをもつ。 頬を引きつらせるルイズとオーボウ。 「実は昔、モンスター相手に王宮でこれをやってな……」 「そそそそそう、ひひひひひ評判はどうだったのかしら?」 「もちろん…最悪じゃった……」 互いに脂汗をかきながら言葉を交わすルイズとオーボウ。 その二人の前では、いつまでもギーシュの裸踊りが続いていた………。 ハーメルンのバイオリン弾きから、ハーメル(+オーボウ)召喚。
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「踊りがみたいな…」 登場作品 ハーメルンのバイオリン弾き CV TVアニメ版=上田祐司(現・うえだゆうじ)ドラマCD版=矢尾一樹 キャラ紹介ROZEN戦記では キャラ性能ステータス 習得スキル キャラ紹介 本ゲームにおいて、トップレベルのマイナーキャラと思われる。 登場作品である『ハーメルンのバイオリン弾き』は、1991年から2001年にかけて、『月刊少年ガンガン』で連載されていた作品で、初期のガンガン黄金期を支えていた作品一つ。ハーメルは、その作品の主人公。大魔王ケストラーを倒すため、仲間たちと共に旅をしている勇者である。 巨大なバイオリンから奏でられる魔曲によって、魔物たちを倒す。性格はかなりひねくれ者。救った村に法外な金を要求したり、仲間たちに爆弾をくくりつけて投げたり、幼馴染をいじめたりと、平気で非道なことを行う。しかし、実際は、誰よりも他人のことを気にかけ、平和を愛する青年。 +原作ネタバレ 実はケストラーの息子(ハーメル自身は魔族と天使と人間の混血)であり、かつて力を暴走させ、町を滅ぼしたことがある。上記の行動のギャップは、そんな過去が関係している…まあ、作品自体が、ギャグパートとシリアスパートでのギャップがすごいだけだがw ちなみに2008年から『ヤングガンガン』にて、本作終了から数年後の世界を舞台にした続編『ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~』が連載中である。 ROZEN戦記では 原作終了後の設定で登場(『シェルクンチク』との関連は不明)。 一緒に行動しているフルートは、原作において最初に仲間になった人間。エンディングにおいて、ハーメルと結婚。子沢山家族の描写がある。ゲーム内のスタカット村にいる多くの子供たちは、恐らく二人の実子。 そのためか、原作と比べ、ハーメルは落ち着いた性格をしている…かと思いきや、火事場泥棒をしていたり、食い逃げしたり、相変わらずフルートを投げたり…本人曰く「懐かしくってついやってしまった」とのことだが、なんなんだこいつは… ともあれ、第一部でスタカット村でのイベントをクリアし、第二部で窓の妖精やヤムチャを仲間にしていない状態でチャイナタウンへ行けば、行方が分からない真紅の探索と、魔物たちを操っていると思われるケイオスとの戦いに力を貸してくれる。 キャラ性能 同じバイオリン使い故か、性能は金糸雀に近く、豊富な属性と、複数の敵に効果があるスキルを多く持つ。その反面、武器の超特大バイオリンが両手持ち且つ固定装備のために盾が装備できず、通常攻撃及び防御面に若干の不安がある。なお、ミスリルバニーシリーズが装備可能なのはバグではなく、原作ギャグパートでバニー服姿を披露しているからであろう。 ステータス 初期LV 12~(ドールズ+ミーディアムのLVの平均値によって変動) クラス名 バイオリン弾き スキル 魔曲 初期ステータス HP SP 攻撃力 防御力 精神力 敏捷性 初期装備 利き腕 超特大バイオリン(固定) 逆手 なし(装備不可) 頭 皮の帽子 胴 普段着 アクセサリー メンタルリング 属性(ダメージ耐性) 半減 風 無効 なし 吸収 なし 弱点 大地 バッドステータス(状態異常) 耐性 なし 無効 なし 弱点 なし 習得スキル スキル名 習得LV 効果・特徴 消費SP ビームのレ 初期 バイオリンから放たれるレーザーが敵を焼き尽くす。目標ランダム3体に、光属性の攻撃。 8 ミサイルのミ 初期 バイオリンから放たれるミサイルで攻撃する。敵ランダム3体に炎属性のダメージ。 8 エレファントアタック 初期 フルートが敵単体を重圧で押しつぶし転倒させる。体術属性の物理攻撃。防御無視。 12 マヌケ踊り 初期 フルートにマヌケな踊りを踊らせ、敵単体のSPにダメージ。吸収属性だが吸収するわけではない。 5 カーリングアタック 14 フルートが回転しながら敵全体に体当たり。転倒の付加効果がある上、全体攻撃なのだが、やはり燃費と威力の効率が悪い。こちらも最新パッチで消費が下がった。 12 精霊の踊り 18 幼馴染のライエルによる、水属性の全体攻撃。同じような性能の技だと、スバルのリボルバーシュートがあるが、あっちと比べると消費SPが倍… 最新パッチで消費が下がり、使いやすくなった。 21 ワルキューレの騎行 21 妹のサイザーによる敵単体に連続攻撃。燃費は悪いが威力はあるため、ボス戦で使うと良い。斬っているように見えるが風属性である。元ネタはワーグナーの名曲。 25 軽騎兵 28 フルートミサイル 38 ファイナル断空砲のファ 40 中の人繋がりでダンクーガが登場し、断空砲を発射。敵全体に無属性のダメージ。燃費はやや悪い。 60 コンセントレイト 45 次のターンの精神力が倍になる 8 破壊のセレナーデ 特殊(*1) 金糸雀と契約後ハーメルが仲間にいる状態で、機動六課のフェイトに話しかけると習得する。敵全体に雷属性の攻撃で、精霊の踊りと比べるとやや燃費が良い上、威力も変わらないので使い勝手が良い。 21 瓦礫のオペラ 特殊(*1) 破壊のセレナーデと同時に習得。属性が大地になった以外は、ほぼ同じ性能で使いやすい。破壊のセレナーデと合わせ、元ネタはフェイトのバトルシーンでフェイトの中の人が歌う挿入歌「pray」の歌詞。 21 (*1) 『破壊のセレナーデ』と『瓦礫のオペラ』は蒼星石が機動六課に保護された後でないと習得できないため、フェイトを仲間にする場合は習得できなくなるので気をつけよう。
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目次 【時事】ニュースホルン ハーメルンのバイオリン弾き RSSホルン ハーメルンのバイオリン弾き 口コミホルン ハーメルンのバイオリン弾き 【参考】関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース ホルン ハーメルンのバイオリン弾き gnewプラグインエラー「ホルン ハーメルンのバイオリン弾き」は見つからないか、接続エラーです。 RSS ホルン ハーメルンのバイオリン弾き gnewプラグインエラー「ホルン ハーメルンのバイオリン弾き」は見つからないか、接続エラーです。 口コミ ホルン ハーメルンのバイオリン弾き #bf 【参考】 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/ハーメルンのバイオリン弾き ★★★★ 登場作品 参考/島本須美 ★★★ キャスト タグ キャラクター 最終更新日時 2013-04-06 冒頭へ